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連載#1"誰にも教えたくないZoho CRM徹底活用術"  いつも大忙しなあなたに贈る「見込み客」タブ徹底活用法

2020 03 23 12:30 PM

見込み客タブから利用するとシンプルな効果を見せることができます。

全国のZoho CRMユーザーの皆様、こんにちは。

カイト合同会社の藤川です。


Zoho CRMは非常に優秀なツールですが、作り込み次第では何でもできる反面、「一通り設定してみたものの、目に見える効果がなかなか得られないのだけどどうすればいい?」という声も聞こえてきます。

この連載記事では『本当は誰にも教えたくないZOHO CRM徹底活用術』と銘打ち、短期間で大きな成果を上げるためのZoho CRM利用法を厳選し、お届けします。のべ100社以上のクライアント様のZoho CRM導入を支援する中で得られた知見を、惜しみなく還元いたしますので、皆さんどうぞお見逃しなく!

なお、この連載記事のターゲットとなる方は、多くの場合現場の最前線にいる多忙な方かと思います。このため、極力平易で、すぐに効果を実感できる内容を優先して取り上げていきますので、皆さんも一つずつ試してみてくださいね。

第一回: いつも大忙しなあなたに贈る「見込み客」タブ徹底活用法

Zoho CRMの数あるタブの中でも利用頻度の高い「見込み客」タブ。


とはいうものの、ご自分でZoho CRMの導入を行った方に話を聞くと、「どう使いこなしたら良いのか分からない!」

「連絡先やキャンペーンとの違いは一体何…」というような声がよく寄せられます。


それもそのはず。


見込み客タブは、Zoho CRMを利用するにあたって位置づけを理解するのが意外と難しいタブなのです。

そもそも見込み客タブで取り扱う情報って…?

見込み客タブには


・商談で名刺交換した相手の情報

・展示会等で獲得した名刺の情報

・ホームページや電話経由で問合せを入れてきた人の情報


などなど、これから展開しようとする商談の種となる情報です。

今回は Zoho CRMの「見込み客」タブを利用し、短期間で効果を得るための実践的な手法を、丁寧に解説していきます。


*今回の記事はZoho CRM Enterprise Editionのご利用が前提です。Standard/ Professional Editionをご利用の場合は、利用できる機能に制約がある場合もございますので、予めご了承下さい。

即効性のある「見込み客タブ」活用のポイントとは?

巷に溢れているセールス/マーケティング関連の書籍を読み漁ると

  • 緻密なビッグデータ分析に基づくターゲット顧客像の設計
  • トップセールスのセールス活動をコピーするようなCRMプロセス設計
  • 競合と比較し自社に優位性のあるキーワードでWEB広告を大量出稿

というような、如何にも効果のありそうな戦略/戦術が多数掲載されています。
しかし、Zoho CRMの利用を始めたばかりのあなたが取り組むべきポイントは、これではありません。
それぞれについて専門の社内部署が存在するならいざ知らず、日常営業活動の傍らでCRMの構築に奮闘しているあなたが丸腰で取り組んでも、あっぷあっぷになってしまうことは目に見えています。
(もちろん我々が導入支援する場合はこれらのことを踏み込んでの構築です)

それでは何をすればよいのでしょうか?私達が推奨するポイントは以下の3つです。

  1. 確実で精度の高いデータを利用する

  2. 営業活動の初動ハードルを下げる

  3. (あらかじめ決めた)オペレーションは徹底する


え、どれも簡単すぎる?皆さんそう仰いますが、過去の経験上、自前でCRMを導入して上記の1~3を完璧に仕上げられていたお客様はほぼ居ません。

ですので、欺されたと思ってこの記事の後半に目を通してみて下さいね。


最短で効果を出すための「見込み客タブ」活用方法

これからは具体的なシナリオとともにこの3点説明していきます。

1. 確実なデータを使う
昨年、受注した顧客情報を集めます
  • 会社名
  • 担当者名
  • メール
  • 電話番号
を中心にデータをCRMの見込み客に入力します。
取引先、連絡先それぞれに入力しても構いませんが後処理を考えるとまずは見込み客で結構です。

また入力時にタグで「既存顧客」の情報も忘れずに追加しておいてください。

あまり古いデータだと担当者情報などが使えないものになっている可能性がありますのもご注意ください。

2. 営業初動のハードルを下げる

CRMを利用した営業活動音ハードルを下げるには2つの視点があります。

1. 対面営業のみを考えるのではなく、自分たちが都合良い時間で実施できるメールでの営業から実施します。
2. CRMのデータ構造になれるためまずは見込み客タブを利用から始める。

まずメール営業の基本となる機能、メール送信では一括メール送信機能を利用します。
ただし、事前準備としてメールテンプレートの作成が必要です。
メールテンプレートの作成は設定>カスタマイズ>テンプレート>メールテンプレートにての作成となります。

作成するメールの内容ですが、
  • 自社で最近販売開始したサービスの概要
  • 顧客事例
  • 自分が営業活動中によく聞く課題

などを記述します。(どの業種でも当てはまるネタかとおもいます)


またタイトルはご挨拶など漠然としたものではなく、
わかりやすいもの(=メールを開けてみたくなるようなリード文)にします。

例)
「最近お客様で好評なサービスのお知らせ:会社名自分の名前」
「〇〇社がサービスAAAを購入した理由とその成果」
「私がよく聞くお客様課題TOP3」

そして大事なことは、このメールの目的はメール単体で商談を生成するためのものではありません。
メールを開封したお客様を見極めるものです。

3. オペレーションの徹底度を上げる
Zoho CRMには一括メール送信機能があります。
この機能は見込み客、連絡先のリストビュー(特定条件で抽出したレコードのリスト)で選択したレコードにテンプレートから選択したメールを送信する機能です。

ここでのオペレーションの徹底度とは「メールを送信しっぱなしにしない」ということになります。
メールを送信した後のフォローアップは普段どうされていますか?
開封した頃合いを見計らって電話をかけていたり、とりあえず返信待ちになるのではないでしょうか?
このような状態は営業担当者のスキルや経験などにより停滞する時間が量の差はあれど発生してしまいます。

ではそのような状態にならないためにはどうすればよいでしょうか?
一括メール送信は送信後のメールの状態(開封・リンクのクリック・不達)に応じてフォローアップのアクションも続けて設定することが可能です。

一括メール送信の画面


例えば以下のようなアクションを自動的にセットすることが可能です。
  1. メールが開封されらた電話を掛けるタスクを担当者に自動的に割り当てる
  2. リンクをクリックしたら特定項目を更新する(例:見込み客のステータスを見込み有りに変更する)
  3. 不達の場合は通話の予約して電話を掛ける(予定の種類の通話をし約市登録します)

上記1などをセットすると、
開封した途端に担当者ががやるべきこととして
・フォローアップ電話のアクションがタスクが割り当てられと
・タスク登録通知が担当者に送信
が実行され、結果としてメール送信から連なる顧客フォローまでが連続してカバー率が高い状態で実施できるようになります。

いかがでしょうか?

普段からこのような営業活動、すなわちやったことと結果、次に繋がるアクションが明確な行動ははできていますか?

成果

成果1:商談の生成

このような営業アクションの直接的な成果は、無論、既存顧客からのアップセル(追加購入)の商談が生まれることです。
既存顧客向けのアプローチなので新規獲得より成功確率は高く商談が生まれます。

成果2:コンタクト可能な客先

顧客側からのコンタクトではなく自社からの自発的なコンタクトに対して反応してもらえる人物や反応の仕方が履歴として残り、
優先対応先リストができます。
またメールの到達状況により客先の担当者変更も同時に確認することが可能になります。

成果3:自社の営業能力の計測

販売だけではなく短期間でカバー出来る範囲が可視化され、
また追加取引の余地ある顧客をどれほど保有しているかの統計がとれます。

これらの成果は組織としての営業情報として、スプレッドシートや日報ではなかなか見えてこないですし、ましてやリアルタイムで集計することなどはほぼできないことかと思います。
さらに今回のシナリオを振り返って見ると、
準備、実行、振り返りのサイクルもごく短期間で実施できるのでは無いでしょうか?
CRMを利用すると、このように対面にこだわることなく効果的な営業活動が実施可能です。
また継続的に使うこと定量的な売上につながる施策の見極めもできるようになります。

いかがでしたか?

今回の手法はZoho CRMの新規ユーザーにはあまり使われない見込み客タブを利用した営業オペレーションを変える活用方法の紹介でした。

その他のタブの利用方法や設定方法については今後シリーズ化して掲載していきます。

また、自社のZoho CRM導入でお困りの際にはお問い合わせください。ブログで公開している手法をはじめ様々な方法論でサポートさせていただきます。

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