ついに2025年4月、Zoho CRMとLINEの連携機能が発表されました。
日本国内における圧倒的なユーザー数を誇るLINEと、ビジネスCRMであるZohoの連携により、よりパーソナライズされた顧客対応が可能になります。
今回は、その機能概要と、連携にあたってのポイントをわかりやすくご紹介します。
なぜLINEとの連携が重要なのか?
LINEは、日本を含むアジア圏で最も利用されているメッセージアプリの一つで、2025年1月時点で月間アクティブユーザー数は1.78億人以上にのぼります。
特に日本市場では、「メールよりLINE」という生活習慣が根付いており、B2CビジネスにおいてはLINE上での接点が顧客体験(CX)を左右する要素となっています。
Zoho CRM × LINE連携でできること
この連携機能を使うと、Zoho CRMの中からLINEユーザーに直接メッセージを送ることが可能になります。
主な機能
- Zoho CRM内の「Messages」モジュールでLINEとのやり取りを管理
- LINEでの受信メッセージに対して、CRM上から直接返信
- ファイルの送受信・管理
- 見込み客または連絡先への紐付け、もしくは新規レコードの作成
- メッセージオーナー(担当者)の自動割当(ラウンドロビン対応)
導入ステップ(概要)
- LINE公式アカウントを準備し、「Channel ID」と「Channel Secret」を取得
- CRMの設定画面から、[設定 > [チャネル] > [ビジネスメッセージ] に進み、LINE連携を選択
- LINE側で右記を設定:チャット・ウェルカムメッセージ・自動応答:オフ、 Webhook:オン
- Zoho CRMで「メッセージオーナー(担当者)」を設定
LINEの仕様に関する重要な制約
Zoho側というよりはLINEのMessaging API仕様による制限となります。以下の点に注意が必要です:
制限内容 | 詳細 |
初回メッセージ | 企業側からの「最初のメッセージ送信」は不可。ユーザーからのメッセージを起点にコミュニケーションが可能になります。 |
メッセージ送信期限 | ユーザーからのメッセージ後、7日間のみメッセージを送信可能(これを過ぎると再度ユーザーからのメッセージが必要) |
メッセージ数制限 | 月500通まで無料。それ以上はLINE側のプランアップグレードが必要です。 |
そのため、LINE連携は以下の制約内での利用に限られます:
- 現時点では、LINEから受信したメッセージに対してZoho CRMから返信することが主な活用範囲です。
- また、CRM内でやり取り履歴を一元的に確認できる点が最大の利点となります。
より高度なLINE連携(例:自動応答、セグメント別配信、シナリオ分岐など)をご希望の場合は、他の外部ツールとの連携やカスタム開発による提案も可能です。
お気軽にご相談ください。
想定されるユースケース
- LINE経由で問い合わせがあったお客様とのやりとりをCRMで一元管理
- 営業・カスタマーサポート担当がそれぞれのメッセージをCRM上で把握・対応
- LINEで資料送付や画像共有が可能(例:見積書PDF、製品写真など)
注意点
ワークフロールールでLINEメッセージを自動送信は現時点では不可です。
LINEからの受信に対しては返信できますが、Zoho CRMのワークフローで「LINEにメッセージを送る」という直接のアクションは未対応です。
現時点での提供条件
項目 | 内容 |
対象エディション | Zoho CRM 有料プラン(Zoho One / CRM Plus含む) |
利用できるリージョン | 日本(JP DC)および米国(US DC) |
利用条件 | LINE公式アカウントの取得+Messaging APIの設定必須 |
Zoho公式ヘルプはこちら
まとめ
Zoho CRM × LINE連携は、B2CビジネスにおけるCRM活用の新たな可能性を広げる機能です。
特に「既存のメールや電話でのやりとりに限界を感じている企業」にとって、LINEでの接点は顧客満足度を飛躍的に高める手段となるでしょう。
カイト合同会社では、LINE連携の導入支援・より高度な自動化を含む運用設計のご提案も承っております。
ご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。