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CRM導入前に営業プロセスを整理すべき理由

2025 10 01 11:50 AM

CRMは「営業活動を見える化」して成果を高めるためのツールですが、前提となるのは 営業プロセスが整理されていること です。
もしプロセスが曖昧なまま導入すると、「入力ルールが統一されない」「人によって情報の粒度が違う」といった問題が発生し、結局活用が進まなくなります。

ここでは、なぜ営業プロセスの整理が重要なのかを5つの視点で解説します。

1. 標準的なプロセスを知ることは「社内の認識合わせ」のインフラになる

営業には一般的な流れ(リード獲得 → アプローチ → ヒアリング → 提案 → 見積 → 交渉 → 受注)があります。

自社独自のやり方があっても構いませんが、CRMに落とし込む際には「社内の共通言語」として整理する必要があります。

例えるなら、営業プロセスは「地図」。
社員全員が同じ地図を持っていれば、誰がどの地点にいるのか把握しやすく、チームとしての連携がスムーズになります。

Zoho CRMは、この「共通の地図」をシステム上で可視化するためのインフラです。

2. 利用している資料をリストアップする

営業の現場では、パンフレット、提案書、見積書、契約書など、さまざまな資料が使われます。

CRM導入の前に「どの資料がどの段階で使われているか」をリスト化すると、次のメリットがあります。

  • 不要な資料を削減できる

  • CRM上で管理すべきものが明確になる

  • チームで使う「最新版」がどれか混乱しなくなる

Zoho CRMは文書管理機能や見積発行機能も備えています。資料リストが明確になっていれば、「どこまでをCRMで一元化するか」も判断しやすくなります。

3. 即時報告で必要な情報・不要な情報を切り分ける

CRMの入力が負担になる原因のひとつは、「不要な情報まで入力を求めてしまうこと」です。

報告・共有に本当に必要なのは、次のようなシンプルな項目です。

  • 顧客名・担当者名

  • 商談のステータス(どの段階か)

  • 金額規模と見込み度合い

  • 次回アクションと期日

逆に「雑談内容」「営業の感想」などはCRMに残すべきではありません。

必要な情報を明確にすれば、入力ルールもシンプルになり、Zoho CRMが「即時報告のための便利なツール」として定着しやすくなります。

4. SIPOCを基本とした業務の棚卸し

SIPOCとは、プロセスを「Supplier(供給元)」「Input(入力)」「Process(工程)」「Output(成果物)」「Customer(顧客)」で整理する手法です。

営業活動にSIPOCを当てはめると、次のように業務を棚卸しできます。

  • Supplier:マーケティング部門、既存顧客からの紹介

  • Input:リード情報、営業資料

  • Process:アプローチ → ヒアリング → 提案 → クロージング

  • Output:受注、見積書、契約書

  • Customer:新規顧客、既存顧客

この整理を行うことで、Zoho CRMの「どのモジュールに何を記録すべきか」が明確になります。

5. 改善すべきプロセスの優先度を決める

営業プロセスを全部一度に改善しようとすると、社内の負担が大きすぎて定着しません。

そのため「改善すべき優先度」を決めることが大切です。

判断基準の例:

  • 売上へのインパクトが大きいか(例:提案の質を高めれば受注率が向上する)

  • 顧客満足度に直結するか(例:フォロー体制の改善で解約率が下がる)

  • すぐに効果が出やすいか(例:見積発行のスピード改善)

優先順位を決めて段階的にZoho CRMへ組み込むことで、現場が混乱せずスムーズに運用が始められます


まとめ

CRMを活用する前提として、営業プロセスの整理は避けて通れません。

  • 標準プロセスを社内共通言語にする

  • 利用資料をリスト化して精査する

  • 即時報告に必要な情報だけを明確にする

  • SIPOCで業務を棚卸しする

  • 改善の優先順位を決める

これらを整えることで、CRMは「現場に寄り添った使いやすいツール」として定着し、導入効果を最大化できます。