最近「SaaS is dead」という議論をよく見かけます

会社は「ソフト」ではなく「仕事の進め方」で動いている
AIエージェントが業務を実行するようになれば 人がアプリケーションを操作する必要はなくなる。
だからユーザー数課金のSaaSは成立しなくなるのではないか。
そんな主張です。
確かにAIの登場によって ソフトウェアの使われ方は大きく変わります。
しかし、企業の業務を実際に見ていると「SaaSがなくなる」という話は少し違うように感じます。
むしろ重要なのは会社の仕事の進め方、つまり「業務シナリオ」です。
会社は「ソフト」ではなく「仕事の進め方」で動いている
企業の業務はソフトウェアで動いているわけではありません。
本当は、
リードを獲得する
↓
営業が連絡する
↓
返信がなければフォローする
↓
興味があれば商談を作る
といった仕事の進め方で動いています。
これはデータではありません。 アプリでもありません。会社の業務シナリオです。
AIが仕事をするために必要なもの
AIは魔法ではありません。
AIが業務を行うためには何をするのか 、どの順番でやるのか、どの条件で判断するのかという
業務のルールが必要になります。
弊社はこのレイヤーを「System of Scenario」と呼んでいます。
AI時代の企業システムの構造
AI時代の企業システムは 次のような構造になると考えています。

この図はAI時代の企業システムの構造を表しています。
企業システムはこれまで主に次の3つで説明されてきました。
- System of Record :企業データを保存するシステム (CRM / ERP / 会計など)
- System of Engagement:ユーザーインターフェース(アプリ / ポータル / チャット)
- System of Action :業務を実行する仕組み (ワークフロー / RPA / AI)
AI時代ではここにSystem of Scenarioというレイヤーが加わります。
System of Scenarioとは何か?
System of Scenarioとは会社の業務の進め方を定義する仕組みです。
例えば営業業務なら
リードが入る
↓
営業に通知
↓
3日以内に連絡
↓
返信がなければフォロー
↓
興味があれば商談作成
といった業務のシナリオです。
AIはこのシナリオを基に 業務を実行します。
Saas is Deadではない理由
この構造で見ると 「SaaS is dead」という議論は少し違って見えてきます。
AIが置き換えるのは
- UI
- 作業
の部分です。
しかし企業システムの本質である
- データ管理
- 権限管理
- 監査ログ
といった部分は「System of Record」として残ります。むしろAIが業務を行うほど企業データの重要性は高まります。
DXの本質は「業務シナリオの設計」
Saasアプリケーションび導入支援をしているとこの構造がよく見えてきます。
例えば、
- Workflow
- Blueprint
- Automation
これらは単なる機能ではありません。会社の業務シナリオそのものです。
AI時代のDX
DXとはシステムを導入することではありません。
2026年現在では、会社の
- 業務シナリオ
- データ
- AI
を組み合わせることです。
AI時代のDXの中心は
- データ(Record)
- シナリオ(Scenario)
になるのではないかと考えています。
AIにどこまで任せるのか、業務シナリオの設計そのものも任せるところから始めるのか、業務の執行だけ任せるのか
どのように整理しAI活用を進めればよいのか、自社のビジネスモデルの本質を見極めることが最優先であることは間違いないと思います。
